産学公技術交流会 “目からうろこ第20弾︕”開催しました

1.はじめに
山梨工業会東京支部と地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター内循環型技術研究会の共催により、2026年2月23日(月・天皇誕生日)、「目からうろこ第20弾︕ ―からだ・こころ・いのちを貫く、医と教育と科学の対話―」を大田区産業プラザPIO(特別会議室)にて開催しました。
本交流会は、以下の企業各社のご協賛を賜り、開催することができました。ここに厚く御礼申し上げます。
(株)アクト技研、イ.ソフト(株)、エクシオグループ(株)、オリンパス(株)、
黒沢建設(株)、たか(隆華)行政書士事務所、富士電機(株)
記念すべき第20回を迎えた本交流会では、「いのち」を中心テーマに据え、医療・教育・科学それぞれの立場から多角的な対話を試み、講演会に75名(講師4名含む)、懇親会に61名が参加し、終始活発な議論と交流が行われました。開会は山梨工業会東京支部支部長 伊藤元規氏による挨拶で始まり、本交流会は、第20回という節目にふさわしい、格調高い技術交流の場となりました。
2.講演会
(1) 『双極の価値観から生まれる“運動・健康”の新知』
~世界一のアスリート経験と運動嫌いの学生指導から~
山梨大学 教育学域 芸術身体教育講座 准教授
世界ラート競技選手権 金メダリスト
堀口 文 先生


紆余曲折もあったラート競技人生で金メダルをつかんだ経験と、運動が苦手な生徒が習慣化に成功する過程は、双極の価値観に見えても大切なことは同じで、①スモールステップを積み重ねる、②技術と知識を身に着ける、③心身の状況や達成度をモニタリングする、④自分を信じて継続する の4つ。運動が苦手な人でも、日々のモニタリングによってモチベーションを高めていくことができるなど、仕事や実生活にも通じる示唆に富む内容でした。
(2) 『命をつなぐグローカル 農医工連携』
~山梨の実験農場を拠点とした橋渡し的ライフスパン研究パイプライン~
山梨大学医学部 解剖学講座 准教授 東京科学大学 教育本部国際教育部門 准教授 クリノ株式会社 科学技術顧問 一般社団法人 JrSr 常任理事 高垣 堅太郎 先生


元々実験を専門としていましたが、自由に研究を進めるには産学連携の基盤づくりが不可欠と考え、ブタをサルの代替として臨床応用する試みや、ブタを使った内視鏡開発など学際的な研究を展開してきました。さらにハワイ大学の教育プログラム導入など、多様なネットワークを巧みに活用して研究マネジメント力は、卓越した企業経営者を想起させるものでした。11年間のドイツ留学では、ブタの体温を暖房に利用するなど、アメリカ式のような使い捨てではない持続可能な文化にも触れ、その経験も紹介されました。
(3) 『漢方でがんと闘う』 ~自分の力を最大限に引き出す東洋医学の知恵~
修琴堂大塚医院 院長 渡辺 賢治 先生
高2のときに修琴堂大塚医院大塚先生の著書と出会い、医学を志しました。漢方は「病気そのもの」ではなく「人の身体」に働きかける医学であり、特に早期がんではアポトーシス(細胞の自然死)を促し、免疫力を高めることで抑制効果が期待できると説明されました。西洋医学を補完する立場が前提ですが、実際にはステージⅣのがんが寛解した例も少なくなく、手術が難しい場合や抗がん剤が合わない患者にとって大きな支えになっているようです。日常生活で実践可能な視点についても整理されました。


(4) 『免疫と長生き』 ~不良長寿~
順天堂大学大学院医学研究科 免疫学講座 特任教授
奥村 康 先生


大企業の部長のように真面目すぎる人は早死に、ワルの社長は長生きするという話や医療介入より“好きに生きた”人の方が長寿だったフィンランド調査を紹介。花粉症は優しい人がなりやすいことやコレステロール基準や喫煙リスクの健康常識を笑い飛ばし、脳は細胞が減ってもネットワークがつながれば問題なく、刺激や笑いが大切と説かれました。免疫はT・B・NK細胞が担い、ストレスで弱るため明るさが長寿の鍵。金さん銀さんは悪口言いたい放題だったから長生きしたとの締めに、参加者のNK細胞は大いに活性化しました。 また、奥村先生のご厚意により、ご自署『免疫力こそすべて︕「不良老人」のススメ』を参加者全員にご寄贈いただきました。
3.懇親会




懇親会は講演会場から移動して、イタリアンレストランTrattoria M’sで61名が参加して盛大に開催され、参加者の皆さんは相互に親睦と交流を深めることができました。
4.おわりに
今回の講演も,参加者にとって関心の高いテーマであったため、活発な質疑応答がなされました。次回の技術交流会は、会場の都合により2027年3月開催を予定しております。詳細が決まり次第ご案内しますので、今後とも本交流会へのご支援、ご参加を賜りますようお願い申し上げます。
